技術情報・技術コラム

産業用ネットワークのセキュリティと安全通信:「すべて自社開発」に潜むリスクと、確実なシステム構築の最適解

産業機器のネットワーク対応、こんな壁にぶつかっていませんか?

インダストリー4.0の進展に伴い、産業機器においてもEtherCATなどのオープンネットワーク対応が急務となっています。「自社の機器も最新の通信規格に対応させたい」という市場からの強い要望を受け、開発プロジェクトを立ち上げている企業も多いでしょう。

しかし、開発の現場や企画の段階で、以下のようなお悩みを抱えていませんか?

  • ☑ 「市場からEtherCAT対応を求められたが、プロトコルが複雑すぎて自社リソースでは手が回らない」
  • ☑ 「ネットワークに繋ぐ利便性はわかるが、サイバー攻撃からシステムを守る『情報セキュリティ』をどう担保すればいいか分からない」
  • ☑ 「人の命を守る『機能安全(安全通信プロトコル)』まで要求され、ハードウェアレベルから独自実装しようとしているが、本当にやりきれるか不安だ」
  • ☑ 「複数メーカーの機器を組み合わせる環境で、安全性を保証する責任が重すぎる」

もし、これらの要件をクリアするために「自社基板内で、論理回路レベルから高度な通信・安全機能をゼロから独自実装するしかない」とお考えなら、少し立ち止まることをお勧めします。

実は、そのアプローチにはプロジェクトを頓挫させかねない、業界構造的な大きなリスクが潜んでいるからです。

なぜ「すべて自社開発(独自実装)」はお勧めできないのか?

最新のネットワーク規格やセキュリティ要件を自社でイチから開発するアプローチは、一見理想的に思えます。しかし、現実の産業機器開発において、当社は以下の理由から「無理な独自実装」を推奨していません。

  1. 技術者の圧倒的な枯渇と属人化リスク
    国際的な安全規格(IEC 61784-3など)を設計・証明できるエンジニアは、世の中全体を見渡しても極めて希少です。仮に自社で開発できたとしても、その担当者が離脱した瞬間にシステムは「誰も触れないブラックボックス」と化してしまいます。
  2. 膨大な認証コストと時間
    ゼロからの設計と国際認証の取得には、膨大なエビデンス作成とテストが必要です。これは、ビジネスの市場投入スピード(タイム・トゥ・マーケット)を著しく遅らせる原因になります。
  3. 不完全な実装による致命的なセキュリティホール
    自動車のクローズドな車載ネットワーク(CAN通信)ですら、物理的な隙を突かれる時代(CANインベーダー等)です。複雑なオープンネットワークにおいて、自前での不完全な実装は、かえってシステム全体に致命的な脆弱性を生む原因になってしまいます。

開発を頓挫させないために。私たちが推奨する
「3つの現実的な対応」

では、開発を止めず、かつ安全とセキュリティを両立させるためにはどうすればよいのでしょうか。

当社では、無理な独自開発(車輪の再発明)に固執せず、世の中にすでに存在する「信頼できる実績ある技術」を組み合わせる現実路線へのシフトをお勧めします。具体的には、以下の対応をご検討ください。

お勧め対応①:認証済み通信モジュールの活用(ハードウェアの切り分け)

高度な通信プロトコルや安全機能の実装は、すでに国際認証を取得している専門メーカーの「通信モジュール」に任せるのが最も確実な対応です。プロトコル処理をモジュールに肩代わりさせることで、自社の貴重な開発リソースを「本来の製品の付加価値」の作り込みに集中させることができます。

お勧め対応②:安全制御の「上位システム」への委譲(システム構成の切分け)

「すべてのデバイス単体で安全通信を完結させる必要が本当にあるか」を問い直す対応です。通常の制御には標準的なネットワークを用い、非常停止などのクリティカルな安全制御は、エッジデバイス内ではなく上位の「安全PLC」などに委譲します。これにより、デバイス側での開発難易度を現実的なレベルに下げることができます。

お勧め対応③:同一メーカーでのシステム統合(セキュリティリスクの最小化)

各機器間のセキュリティレベルを完全にすり合わせるのは至難の業です。情報セキュリティと動作保証の観点から、ネットワークの基幹部分や安全制御を「信頼できる同一メーカー(シングルベンダー)」で統合する構成をお勧めします。セキュリティポリシーの一貫性が保たれ、システム全体の脆弱性を劇的に減らすことが可能です。

「現実的なシステム構築」なら、ハード・ソフト一貫対応の当社にご相談ください

ここまで、独自開発のリスクと「既存技術を組み合わせる現実路線」をお勧めしてきました。

しかし、認証済みモジュールを自社の基板に組み込んだり、上位システムと連携するデバイスを開発したりするには、ハードウェア(基板設計・ノイズ対策)からソフトウェア(通信制御)までを最適にすり合わせる「インテグレーション(統合)技術」が不可欠です。

当社(山勝電子工業)は、産業用電子機器の開発において、世の中の技術リソースの枯渇や、セキュリティ・機能安全の難易度を現場レベルで熟知しているからこそ、世界中の信頼できる既存技術を目利きし、お客様の要求仕様に合わせた「最も確実で安全に製品化できるルート」をご提案します。

  • 「EtherCATに対応したいが、自社のリソースでどう実現するか悩んでいる」
  • 「機能安全やセキュリティ要件を満たしつつ、現実的なコストと期間で開発したい」

このようなお悩みをお持ちの開発責任者様は、ぜひ一度当社にご相談ください。ハード・ソフトの一貫開発を得意とする当社が、最適な代替案とシステム構成をご提案いたします。

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