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組み込みボードの設計・開発における注意点

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組み込みハードウェア

組み込みボードは、電子機器やシステムに埋め込まれ、特定のタスクや機能を実行するために設計されたコンピュータボードです。今回は、この組み込みボードに焦点を当て、設計開発における注意点をご紹介します。少しでも気になった方は、是非最後までご確認ください。

※ちなみに、当社ではFPGAやマイコンボードなど幅広い組み込みボードの設計・開発を承っていますので、詳しくは下記よりご覧ください。

組み込みボードとは?

繰り返しになりますが、組み込みボードとは、電子機器やシステムに埋め込まれ、特定のタスクや機能を実行するために設計されたコンピュータボードを指します。組み込みボードは、小型・軽量・省電力ながら汎用コンピュータでは対応できない様々なシステムで重宝されています。

しかしながら、多くのケースで汎用コンピュータに比べハードウェア性能が落ちることがあるため、求める性能を達成することができないなどの課題が発生しやすくなります。

組み込みボードの設計・開発における注意点

組み込みボードの設計・開発に置ける注意点を簡単にご紹介します。

注意点①:要求条件を整理した上で主要デバイスを選定する

主要デバイスの選定は最も重要です。ソフトウェアやアプリケーションの要求事項、組み込みOSやミドルウェアの前提条件、データのサイズやデータレート、電源供給要件、外部インタフェースなどを整理し、FPGA・マイコンなどの主要デバイスを慎重に選択します。高速デジタル処理が必要な場合には、PLD(Programmable Logic Device)等の検討も重要です。

注意点②:試作・機能テストを怠らない

評価ボード等を使用した試作を行い、テストプログラムによってメモリ(RAM、ROM)容量やソフトウェアの機能を確認します。実機テストを通じて、全体的な動作や処理性能が要件を満たしているかを確認しましょう。きちんとしたテストができていないと、設計・開発の後戻りが発生する恐れがあります。

注意点③:設計した回路が回路要求を満たすかチェックする

複数の内部電源が必要となる場合はデバイスが要求する電源の投入順序、タイミングに合わせ必要な回路検討を行いますが、回路検討後にデバイスのI/Oピンの定格やDC/AC特性を確認し、周辺回路を含めて回路要求を満たしているかをチェックしましょう。

注意点④:機能異常などの状況を想定する

正常な動作が難しいケースも予め想定することが重要です。電源異常の監視や各配線ラインの過電圧保護・過電流保護など、異常状態に対処するハードウェア機能を考慮して設計を行う必要があります。

これらの組み込みボードの基礎的な注意点を押さえておくことで、組み込みボードの設計・開発を円滑に行うことができ、優れた品質と安定性を確保することが可能といえます。

組み込みボードの設計・開発事例

組み込みシステム・IoT機器開発.comで開発・設計を行った組み込みボードの事例をご紹介したいと思います。是非ご確認ください。

組み込みボード 開発事例①:産業機器用 警報装置

上位系統からの要求にて、本体内に保存した警報データ、音片データの再生、停止を行う警報装置を開発した事例です。お客様にご要望をヒアリングした後、下記の仕様にて検討しました。

【装置 仕様】

警報データは警報音、音片データは音声

【音声 合成仕様】

データフォーマット:WAV フォーマット(PCM16bit 32KHz モノラルのみ)

データサイズ:最大625KByte(10秒)x 48CH

プロトコルで保守用PC から転送、混色方式:DSP によるPCMデータ加算方式、最大9音混色、オーディオ用D/AコンバータによるPCM 複合、鳴動周波数:300Hz~10KHz、内蔵スピーカー:8Ω 10W、外部スピーカーも8Ω 10W 以上を使用することを推奨、ライン出力レベルは600Ω 0dB±3dB

組み込みボード 開発事例②:電力設備向け センサー用検出ボード

COM Express基板を実装し、検出器ボードを開発した事例です。センサーを組み合わせて波高いスペクトルを測定する組み込みボードであり、お客様にご要望をヒアリングした後、下記の仕様にて検討しました。

【ボード 仕様】

センサー信号入力、スペクトル処理部(A/D変換)、波高値メモリ、ヒストグラムメモリ、ディスクリ端子、パルス入力、RS232Cポート、RTC、Gb Ethernet、パルサー出力、AI,AO、DI(絶縁),DO(絶縁)、データ保存、リセット端子、DO、パルス出力、カウンタ

組み込みボード 開発事例③:半導体業界向け 検査装置用制御ボ

検査装置のステージ制御系の各信号処理を実行する基板を開発した事例です。お客様にご要望をヒアリングした後、下記の仕様にて検討しました。

【基板 仕様】

VMEバスアクセス(VMEダブルハイトサイズ)、ステージ位置データの取り込み(指定AXISボードとのインタフェース)、プリセット、補正演算、移動平均化処理、他システムへの補正演算位置データ、エラー情報出力、補正演算位置データのアナログ出力、他システムとの絶縁

組み込みボードの設計・開発なら組み込みシステム・IoT機器開発.comまで!

組み込みシステム・IoT機器開発.comを運営する山勝電子工業では、鉄道、車載関連企業のパートナーとして培ってきた設計開発力を活かし、他社にはできない高付加価値な組み込み機器・ボード開発を行います。

さらに、開発後には、実験環境を構築し、組み込み機器・ボードの性能評価試験まで対応します。組み込みボードの設計・開発案件の委託先にお困りの皆様、まずは是非一度お気軽にご相談下さい。

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